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対話と対立

なる美 先程、「大曽根での活動もなくなった」と言っていましたが、大曽根では何をされているんですか?

白川 平たく言うとまちづくりですね。大曽根地区の活性化を目指して活動する若者達中心のコミュニティーのサポートや、地域の人たちの活動、例えば会議のサポートなどですね。人の居場所となる所を増やしていくことを、仕事、あるいは個人の活動でやっています。

なる美 そうなんですね。そういうグループがあるんですか?

白川 固定的なメンバーが一貫して活動してるグループもあるけど、基本は個人単位です。プロジェクトチームのように目的ごとに集いやすいメンバーがいるので、離散と集合を繰り返す感じですね。

なる美 面白いですね。コロナ禍では、NPO業界全体でもそうなんですけど、ボランティアさんが集まれないという問題がありますよね。定期的にある曜日に集まっていたのが1,2年途絶えると、人の気持ちも動くし、みんなの予定も変わってくるので、復活できない状態になったり…ということを感じます。

白川 そうですね。難しいね。

なる美 そうやって下火になるNPOが、日本全国で考えると相当数あるんじゃないかなと思うんです。しらさんが活動しているようなコミュニティーやNPOなどのボランティアが弱者を支えていた部分もあるから、コロナ禍で苦しくなった人達を支える人が求められているはずなのに、その活動ができなかったり、人が集まれなかったりという現状があるなと思っています。

白川 人が戻りつつあるとはいえ、まだそれは継続中かなって感じですね。

なる美 大曽根の活動では、その辺の影響はいかがですか。

白川 でも、大曽根はたくましいですよ。へこたれない!(笑)あるいは、いい意味で学ばない(笑)。大曽根でよく僕が関わっている人たちは、すごく人情家なんです。“市民活動あるある”なんですけど、色んな年代の人と会議する中で、どんどん話が膨らんで「いいねいいね!」で決まっていったけど、結局「誰が面倒見るの?元々の約束とも違うし、できないじゃん。どうするんだ!」っていうかんじで会議が混乱しちゃった時があって。その時に、商店街の理事長さんが、「こんなんだけどやろう。俺たち仲間じゃん!」って(笑)。

なる美 ルフィか!(笑)

白川 そう!その通りで、「ワンピースーーー!」みたいな感じになって、笑っちゃってね(笑)。良し悪しはもちろんあるし、それで強制的にインクルージョンみたいなところもあるけれども。話し合いでの対立は、「あなたと私が対立したいと思ってるんじゃなくて、より良くなるためにそれぞれの立場から色々言っているんだ」ということが根底にあるからね。「俺たち仲間じゃん!」が出てきたのには笑っちゃったんだけどね(笑)。

なる美 すごい名言。シンプルだけど深い!

白川 まあでも、その後イベントはめちゃくちゃだったんだけど(笑)。対立でいうと、さっき出てた話でもすごく思うのは、やっぱり「否定されるのが怖い」とか「受け入れてもらえなかったらどうしよう」という気持ちはあると思うので、「一緒の意見でいたい」という気持ちが生まれるのかなと。でも、裏返すとひょっとすると社会がそれを許してはいない状況があるから、社会が受け入れてくれなくても、せめて隣にいるあなたとは受け入れ合う関係でいたいという気持ちになることもあるのかな。その人の起こっている問題の背景に、社会的な何かが代表して現れているのかなとも思いますね。

なる美 確かにありそうですね。そういった変化はまだまだこれからという感じですかね。「コロナだから…」という言い訳が多くて、この後、その言い訳ってどうなるのかなと思いますね。

白川 飲み会とかもね。できない理由にコロナが使われるのは結構多いよね。幼稚園保育園小学校でも、「ちょっと熱があるかもしれない」と連絡が来たら、先生はどうしようもないので何も言えないとかね。

なる美 別の理由が見え隠れしていても、突っ込めないってことですよね。

白川 そう。昔より学校の教室にフルメンバーでいるという頻度が減ったと小学校の先生に聞きました。コロナ後でも続く可能性はあるよね。

なる美 ですね。保健室登校も多かったと聞きます。保健室登校がダメっていう話じゃなく、“そういう多様性もある”と発展していく社会であればいいですけどね。私も聞いた話で、ある大学の学祭実行委員の学生達が、コロナで学祭を2年やってなかったから引継ぎがなくて、運営ができないそうなんですね。だから、学校側は“学祭やりません”となってしまったらしいんです。

miho やりません!?

白川 新しく作り始めますじゃなくて、やらないの…!

なる美 そう。でも、その“やらない”を決めたのは大人なわけですよね。その年の学生達の力量やこれまでの経緯を見てサポートするのが大人の役割だと思うんですけど、今の学生はできないからやらないっていう決断に至っちゃうんだ…、と残念な気持ちになりました。

白川 それは残念だね。どこが決めるかは難しいね。学生達にどんな風に聞いたのかなー。学生達のやりたいことができるように、自分たちはどうするかを考えるってことじゃないんだね。

なる美 そうそう。だから「学祭で何を育みたいのか?」という原点に、大人は立ち返らないといけないですね。学校としてどうしたいのか、こういう風に学生を育てたいっていうゴールを目指して判断してほしいですけどね。

白川 子を持つ親としてはどうですか?コロナの罹りやすさに大人も子どももないという状況の中で、圧倒的庇護の対象になっている小さい子を持つ保護者の方だと、やはり自分で自分のことをなかなか判断できないという年代の子に対して、“代わりに判断してあげる”ってことをしなくてはいけないわけでしょう。あとは、母親同士の関係みたいなもあるから、その辺でもどかしかったりすることはあるんですか?

なる美 最初はありましたね。子どもが重症化しないという報道で変わってきましたけど、当初は私、妊婦だったんで、本当に家から出なかったですね。「ゴルフに行く」っていう夫に、「それであなたがコロナになって、私にうつって子どもが障害を持ったらどうするつもりですか?」って聞いても、「行ってくる」っていうから、じゃあ行ってきてくださいってね。

白川 それは分かり合えないね…(笑)。

なる美 そう(笑)。

miho 「私の気持ちは言ったからね」っていう感じだよね(笑)。

なる美 まさにそれ。でも、夫のお父さんと行く話だったから、「一緒に行かせてあげたいって気持ちも正直あったけど」と後で伝えました。それが会社の人だったらまたちょっと違うかもしれないけど(笑)。

白川 やっぱり重症化するしないっていうところに、自分の基準を置いたところで、結構変化も大きかった?

なる美 そうですね。コロナの脅威より、子どもが外で遊べないことの方がストレスでしたね。子どものストレスは、私の命に関わってくるほど、私のストレスにもなるし。教育的な観点から見ると、その時期に長期的に外で遊ばないことのリスクも高いんじゃないかな?と変わっていきましたね。mihoはどうですか?

miho 同じですね。最初は調べるといろんな意見、情報がありすぎて、何を信じたらいいのか分からなくて、ママ友の意見に流されそうになったり…ということも多かったけれど、去年(2022年)の8月に家族全員コロナになって、その時一番元気だったのが3歳の子どもだったので、もう吹っ切れました(笑)。

なる美 子どもが元気で辛かったという親は多いよね(笑)。

miho 重症化する方もいるから軽々しいことは言えないし、初期のコロナとはまた変わってきているのもあると思うんですけど、あんなに怖がってた割には、「こんなもんなんだ」というのが正直な感想だったので、「もう少し遊ばせてあげたらいいかな」と思うようになりました。さっき公共施設が全部ストップしたという話もありましたけど、当時は子ども広場とかも全部閉鎖されましたよね。

なる美 そう。イオンとかの広場もね。

白川 遊び場もね。

miho 遊び場も、児童館も、イベントも本当に全部なくなって、なるべく家にいなくちゃいけないし、外ではマスクを着けるというのは、子ども達にとって本当に息苦しい数年だったんじゃないかなと思います。今、商業施設でパートしていますが、コロナの出始めの頃は、ほとんどのお店が休業でシャッターが閉まっていたと聞きました。でも今回の年末年始(2022年〜2023年)はすごく人が多かったので、皆さんの感覚が変わってきてるなと実感しています。完全になくなるまではもう少しなのかなと思いますけど、どうなんでしょうね。

白川 なくなるのか?とかね、そもそもね。

miho 「そんなに気にしない」っていう人が増えてきた印象なので、このまま良い方向に進んでくれたらいいなって思いますね。まさに、With-コロナから、After-コロナへですね。

なる美 こうして改めて振り返ってみると、本当に多方面で大きな変化のあった数年でしたね。それぞれの“社会の変化”、大変興味深かったです。本日はありがとうございました。

実施日:2023年1月18日
場 所:DiVE CAFE

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